Judas_Priest_British_Steel
マスター・テープが盗難に遭い、10万ドルの身代金を要求されるなど、完成まで様々なトラブルを経ながらも完成しリリースされた6枚目のアルバム。

当時のイギリスはNWOBHMという、空前のヘヴィ・メタルのブームの最中で、従来のハードロックよりも攻撃的なサウンドのバンドが多数いたため、それを意識したせいか、本作ではそれまでのドラマティックで大仰な曲構成げ整理され、よりタイトでアグレッシブなサウンドを追求したアルバムになっています。

「BRITISH STEEL」というアルバムタイトルや、剃刀というアルバムジャケットのアートワークからくるイメージのように、エッヂの効いたシャープなリフが前面に押し出されているのが特徴です。

また本作より、ドラマーがレス・ブリンクスからデイヴ・ホーランドに変更しましたが、ソリッドなプレイで曲の基盤を支え、その持ち味は本作のような比較的シンプルな音楽性において最大限に発揮されています。


【Track Lsting】
1."Breaking the Law"
2."Rapid Fire"
3."Metal Gods"
4."Grinder"
5."United"
6."Living After Midnight"
7."You Don't Have to Be Old to Be Wise"
8."The Rage"
9."Steeler"
*この曲順はアメリカ版のもので、それに倣った日本でのオリジナルリリース時のものです。


【全曲解説】
1.「ブレイキング・ザ・ロウ」…バンドの代表曲の一つ。シンプルながらも印象的なリフと、サビのタイトルの連呼が痺れます。2ndシングルで全英シングルチャート最高位12位。

2.「ラピッド・ファイア」…破壊力に満ちた疾走ナンバー。ザクザクとした硬質なリフが心地よく、ちょっとずつ入るグレンとK.K.のソロのバトルも聴きどころ。

3.「メタル・ゴッド」…バンドの代名詞と化したアンセムナンバー。ヘヴィなリフに無機質な低いトーンでのサビのコーラスが印象的。

4.「グラインダー」…単純ですが切り刻むリフと、肉を挽くようなロブのヴォーカルが印象的なブルータルなメタルナンバー。

5.「ユナイテッド」…ミドルテンポの、サビのコーラスがメロディアスな比較的なポップなナンバー。3rdシングルで全英シングルチャート最高位26位。

6.「リヴィング・アフター・ミッドナイト」…ノリの良い、サビがキャッチ―なロックンロールナンバー。1stシングルで全英シングルチャート最高位12位。

7.「オールド・トゥ・ビー・ワイズ 」…割と明るめな開放的なメロディのある曲。大人になるな、賢くなるなよというメッセージのある曲。

8.「ザ・レイジ」…レゲエのビートが隠し味に使われている重厚なドラマティックなヘヴィナンバー。

9.「スティーラー」…スピードのあるリフが特徴の疾走系のストレートなロックナンバー。


【リリースデータ】
1980年4月14日


【チャート成績・売上】
ビルボード誌アルバムチャート最高位34位/全英アルバムチャート最高位4位・プラチナム(100万枚)