Cinderella_NightSongs
アメリカのフィラデルフィア出身のバンドのデビュー作。

「BON JOVIが発掘したバンド」…1985年初頭、2nd アルバムのレコーディングでフィラデルフィアに滞在していたジョン・ボン・ジョヴィが地元のクラブでこのバンドのショウを観て気に入り、契約も含め積極的に動きバックアップしたそうです。

バンドにとって幸いしたのは、本作をリリースした時期が BON JOVI の3rdアルバム「SLIPPERY WHEN WET」の発売直前で、BON JOVIの存在が巨大化していく中で、その弟分的な触れ込みであったCINDERELLAの存在もクローズアップされることになっていきました。

本作は時流に乗ったグラマラスでポップなヘヴィメタルというイメージで売られましたが、このバンドの本質はブルーズに根差した骨太のハードロックであり、ここではその奥深い音楽性が理想的な形で80年代サウンドと融合し、AC/DCのような重量感のあるタテノリも心地よく聴かせます。

プロデューサーはFREE やLED ZEPPELINのエンジニアで有名なアンディ・ジョーンズで、ヴォーカルとギターのトム・キーファーとベースのエリック・ブリッティンガム以外はセッションメンバーを起用しレコーディングされました。


【Track Listing】
1."Night Songs"
2."Shake Me"
3."Nobody's Fool"
4."Nothin' for Nothin'"
5."Once Around the Ride"
6."Hell on Wheels"
7."Somebody Save Me"
8."In from the Outside"
9."Push, Push"
10."Back Home Again"


【全曲解説】
1.「ナイト・ソングス」…ヘヴィでミドルテンポのオープニングナンバー。ヴォーカルの声質がAC/DCのブライアン・ジョンソンの金切り声に似ているせいか、AC/DCの「BACK IN BLACK」アルバムの「ヘルズ・ベルズ」を想起させます。

2.「シェイク・ミー」…典型的なタテノリの歯切れ良いキャッチ―なナンバー。1stシングルとしてリリースされ、ビルボード誌Mainstream Rockチャートでは第41位を獲得。

3.「ノーバディーズ・フール」…哀愁漂うパワーバラード。ここでのギターソロは叙情感たっぷりで綺麗なメロディを奏でています。2ndシングルとしてカットされ、ビルボード誌シングルチャートで第13位、Mainstream Rockチャートでは第25位を記録。

4.「ナッシン・フォー・ナッシン」…重量感あるミドルテンポのタテノリのハード・ロックンルール・ナンバー。出だしのピッキング・ハーモニクスもインパクト十分。

5.「ワンス・アラウンド・ザ・ライド」…疾走感あるこちらもタテノリのロックンロール・ナンバー。細かく刻むギターリフ、ソロでのアーミングが渋い。

6.「ヘル・オン・ホイールス」…アップテンポのこちらもまたタテノリの、シンプルでストレートなロックンロール・ナンバー。

7.「サムバディ・セイヴ・ミー」…本作では異質な湿り気のあるメロディの佳曲。キャッチ―だがポップではなく、硬質な質感があります。3rdシングルでビルボード誌シングルチャートで第66位、Mainstream Rockチャートでは第37位を記録。

8.「イン・フロム・ジ・アウトサイド」…3連のシャッフルのノリで、ブルージーな雰囲気も感じられるハードなブギーロック・ナンバー。初期のAEROSMITHの雰囲気があります。

9.「プッシュ、プッシュ」…3分に満たないタテノリのパワフルなロック・ナンバー。

10.「バック・ホーム・アゲイン」…非常にヘヴィなリフがクールな、ラストにふさわしいマイナー調でミドルテンポのハードロック・ナンバー。


【リリースデータ】
1986年10月6日


【チャート成績・売上】
ビルボード誌アルバムチャート最高位3位・3×プラチナム(300万枚)