The_ultimate_sin
ギターのジェイク・E・リーを迎えて制作したオジーの2枚目のアルバム。邦題は「罪と罰」。

オジーがドラッグやアルコールでボロボロの状態であったため、ジェイクが中心となって製作を進めたというこの作品。

プロデューサーにロン・ネヴィソンを迎え、音楽性もポップなメタルスタイルになっているのが特徴です。

前作に見受けられた要素である教会音楽やクラシック音楽のようなシリアスな雰囲気や、英国的な雰囲気を漂わせていた湿った音像はないですが、本作ではアメリカの広大さを意識させるドライなものへ変化を遂げています。極端にキーボードのサウンドを抑えたのが要因の一つではないでしょうか。

キャッチ―な楽曲はどれも聴きやすく、ジェイクも抜けのいいトーンでセンスの良い、トリッキーでかつフックの効いたギターを披露しています。

また、シャープさやタイトさよりも豪快さを前面に出した新加入のランディ・カスティロのドラムも独特のグルーヴを生み出しています。


【Track Listing】
1."The Ultimate Sin"
2."Secret Loser"
3."Never Know Why"
4."Thank God for the Bomb"
5."Never"
6."Lightning Strikes"
7."Killer of Giants"
8."Fool Like You"
9."Shot in the Dark"



【全曲解説】
1.「罪と罰」…ランディの叩き出すトライバルなビート、そしてジェイクの重低音のリフで幕を開けるスケールの大きなオープニングナンバー。ミドルテンポでじっくりと、ドラマティックに盛り上がる。オジーの哀愁ある歌メロに、ジェイクのソロ前のブレイク部分の迫力あるワウ、テクニックを駆使したギターソロ、そして荘厳なアウトロのアルペジオが光る。2ndシングルで全英最高位72位。

2.「シークレット・ルーザー」…キャッチ―でアップテンポな、いかにもLAメタル風なナンバー。ここでのジェイクのギターリフは切れ味が鋭く、ソロでもタッピングが炸裂しています。

3.「ネバ―・ノウ・ホワイ」…擬似ディレイを前面に出したジェイクのフェイクプレイの、ダークなイントロから幕を開けるが、歌メロはキャッチ―。

4.「サンク・ゴッド・フォー・ザ・ボム」…ライトな曲調の明快なロックナンバー。ここでのジェイクのギタープレイは派手でフラッシー。

5.「ネバ―」…ジェイクの様々なオブリガードが楽しめる、シンプルなリフとキャッチーなサビ、そのサビではオジーが伸びやかに歌いまくります。

6.「ライトニング・ストライクス」…ポップでキャッチ―な溌溂としたナンバー。3rdシングルで全英最高位76位。

7.「キラー・オブ・ジャイアンツ」…重厚なエピック・チューン。アルペジオが美しくヴォーカルは切なく、どこか2ndアルバム的な要素が感じられる。

8.「フール・ライク・ユー」…ハーモニクスを活用したイントロのリフが印象的なライトな曲調のミドルテンポのナンバー。

9.「暗闇にドッキリ!」…ヘッド部分の弦を押して開放弦のハーモニクスのピッチをコントロールするジェイク・フェイクをさりげなく使った、ダークでかつ哀愁のあるポップなナンバー。フィル作曲のスマッシュ・ヒット曲で、1sシングル全米最高位68位(全英は最高位20位)。


【リリースデータ】
1986年2月22日


【チャート成績・売上】
ビルボード誌アルバムチャート最高位6位・2×プラチナム(200万枚)