2019年10月

Van_Halen_-_Diver_Down_svg
1982年発表の通算5枚目。

前作の「FAIR WARNING」から少しずつ表出していた、アメリカ的な娯楽性・ポップ性が前面に出た作品で、バンド史上最も幅広い音楽性を取り入れた作品になっています。

カバー曲が多いのがその要因ですが、エディのヘヴィーなギターに、デイヴの味付けが加わり、VAN HALENが見事に自己消化しています。

契約上ㇾコート会社に急かされ、2週間で仕上げたという云わばやっつけ仕事的な作品である点と、ポップな曲やカバー曲が多いので、異色の作品と称されることが多いですが、デイヴの持つエンターテインメント性やグラマラスさが、全作品中最も突出した感じで表れているアルバムではないでしょうか。

余談ですがアルバムの描かれたジャケットの意味は、今海中にダイバーが潜っているという事を知らせる旗だそうです。

【Track Listing】
1."Where Have All the Good Times Gone!"
2."Hang 'Em High"
3."Cathedral"
4."Secrets"
5."Intruder"
6."(Oh) Pretty Woman"
7."Dancing in the Street"
8."Little Guitars (Intro)"
9."Little Guitars"
10."Big Bad Bill (Is Sweet William Now)"
11."The Full Bug"
12."Happy Trails"



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UFO_album_Phenomenon
70年代に活躍したブリティッシュ・ハードロック・バンド、UFOの通算4枚目のアルバムで、あのマイケル・シェンカーが正式メンバーとして加入した初スタジオアルバムです。邦題は「現象」。

マイケルの派手で個性的なギター・ワークを導入したことで、明らかに曲の展開が鋭くなっています。

ヴォーカルとギターは叙情性に満ち溢れ、そして本作に収められている楽曲はキャッチ―で憂いに満ちたリリカルなメロディを軸として緻密に練り上げられており、バンドは他に比類なき個性を見せるようになってきています。

【Track Listing】
1. " Oh My "
2." Crystal Light"
3. " Doctor Doctor "
4. " Space Child "
5. " Rock Bottom "
6." Too Young to Know"
7. " Time on My Hand"
8." Built for Comfort "
9." Lipstick Traces "
10." Queen of the Deep"



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アメリカのハード・パワーポップ・バンド、CHEAP TRICKの通算8枚目のアルバム。

本作では鬼才と呼ばれるトッド・ラングレンをプロデューサーとして担ぎ出し、独自のポップ・フィーリングを身につけた音のマジシャンとして知られているトッドの手にかかったバンドは、モダンポップの世界を本作で築き上げることに成功しています。ギターのキラキラした音像はいかにもトッドという感じですね。

前作や前々作に比べ、ポップな楽曲のオンパレードで、1回聴いただけで覚えてしまうような親しみやすいメロディーと、コーラスを活かした耳馴染みの良い楽曲が数多く収録されています。

ただ、音のハードさからいうと、アレンジが軽すぎるせいか物足りなく感じるきらいもあるかもしれません。

あとちなみに、ジャケットはブルース・スプリングスティーンの「明日なき暴走」のパロディとのこと。


【Track Listing】
1."I Can't Take It" 
2."Borderline"
3."I Don't Love Here Anymore" 
4."Next Position Please" 
5."Younger Girls" 
6."Dancing the Night Away" 
7. "You Talk Too Much" - 1:55
8. "3-D" 
9."You Say Jump" 
10."Y.O.Y.O.Y." 
11. "Won't Take No for an Answer" 
12."Heaven's Falling" 
13."Invaders of the Heart" 
14."Don't Make Our Love a Crime"


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Cinderella_NightSongs
アメリカのフィラデルフィア出身のバンドのデビュー作。

「BON JOVIが発掘したバンド」…1985年初頭、2nd アルバムのレコーディングでフィラデルフィアに滞在していたジョン・ボン・ジョヴィが地元のクラブでこのバンドのショウを観て気に入り、契約も含め積極的に動きバックアップしたそうです。

バンドにとって幸いしたのは、本作をリリースした時期が BON JOVI の3rdアルバム「SLIPPERY WHEN WET」の発売直前で、BON JOVIの存在が巨大化していく中で、その弟分的な触れ込みであったCINDERELLAの存在もクローズアップされることになっていきました。

本作は時流に乗ったグラマラスでポップなヘヴィメタルというイメージで売られましたが、このバンドの本質はブルーズに根差した骨太のハードロックであり、ここではその奥深い音楽性が理想的な形で80年代サウンドと融合し、AC/DCのような重量感のあるタテノリも心地よく聴かせます。

プロデューサーはFREE やLED ZEPPELINのエンジニアで有名なアンディ・ジョーンズで、ヴォーカルとギターのトム・キーファーとベースのエリック・ブリッティンガム以外はセッションメンバーを起用しレコーディングされました。


【Track Listing】
1."Night Songs"
2."Shake Me"
3."Nobody's Fool"
4."Nothin' for Nothin'"
5."Once Around the Ride"
6."Hell on Wheels"
7."Somebody Save Me"
8."In from the Outside"
9."Push, Push"
10."Back Home Again"


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The_ultimate_sin
ギターのジェイク・E・リーを迎えて制作したオジーの2枚目のアルバム。邦題は「罪と罰」。

オジーがドラッグやアルコールでボロボロの状態であったため、ジェイクが中心となって製作を進めたというこの作品。

プロデューサーにロン・ネヴィソンを迎え、音楽性もポップなメタルスタイルになっているのが特徴です。

前作に見受けられた要素である教会音楽やクラシック音楽のようなシリアスな雰囲気や、英国的な雰囲気を漂わせていた湿った音像はないですが、本作ではアメリカの広大さを意識させるドライなものへ変化を遂げています。極端にキーボードのサウンドを抑えたのが要因の一つではないでしょうか。

キャッチ―な楽曲はどれも聴きやすく、ジェイクも抜けのいいトーンでセンスの良い、トリッキーでかつフックの効いたギターを披露しています。

また、シャープさやタイトさよりも豪快さを前面に出した新加入のランディ・カスティロのドラムも独特のグルーヴを生み出しています。


【Track Listing】
1."The Ultimate Sin"
2."Secret Loser"
3."Never Know Why"
4."Thank God for the Bomb"
5."Never"
6."Lightning Strikes"
7."Killer of Giants"
8."Fool Like You"
9."Shot in the Dark"



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