2019年10月

Black_Sabbath_Heaven_and_Hell
元RAINBOWのロニー・ジェイムズ・ディオ参加の第1作目にして、HM・HR史上屈指の名盤として名高い通算10作目のアルバム。

ロニーがバンドに持ち込んだテイストである様式美や中世のヨーロッパの薫りが、BLACK SABBATHの神秘的な要素とのケミストリーで、ヘヴィでダークでありながら、ドラマティックで美しいという独自の世界を創造しています。これは元々バンドが持っていた起伏や静動という要素が、ロニーのメロディアスな部分と化学反応を起こし、明確な様式美という世界が構築されたからではないでしょうか。

様式美という観点では、本作のプロデューサーはDEEP PURPLEの「MACHINE HEAD」や「MADE IN JAPAN」を手掛けたことで知られるマーティン・バーチで、ロニーとともに所謂パープル系が作風に寄与しています。

本作のリリース時、折しもNWOBHMムーヴメントが起こっていたこともあり、久々の大ヒットを記録しました。

美しいメタルという作品を提示した本作は、メタルの理想像の一つとして次世代に与えた影響は物凄く大きいものだったと思います。


【Track Listing】
1."Neon Knights"
2."Children of the Sea"
3."Lady Evil"
4."Heaven and Hell"
5."Wishing Well"
6."Die Young"
7."Walk Away"
8."Lonely Is the Word"


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Judas_Priest_British_Steel
マスター・テープが盗難に遭い、10万ドルの身代金を要求されるなど、完成まで様々なトラブルを経ながらも完成しリリースされた6枚目のアルバム。

当時のイギリスはNWOBHMという、空前のヘヴィ・メタルのブームの最中で、従来のハードロックよりも攻撃的なサウンドのバンドが多数いたため、それを意識したせいか、本作ではそれまでのドラマティックで大仰な曲構成げ整理され、よりタイトでアグレッシブなサウンドを追求したアルバムになっています。

「BRITISH STEEL」というアルバムタイトルや、剃刀というアルバムジャケットのアートワークからくるイメージのように、エッヂの効いたシャープなリフが前面に押し出されているのが特徴です。

また本作より、ドラマーがレス・ブリンクスからデイヴ・ホーランドに変更しましたが、ソリッドなプレイで曲の基盤を支え、その持ち味は本作のような比較的シンプルな音楽性において最大限に発揮されています。


【Track Lsting】
1."Breaking the Law"
2."Rapid Fire"
3."Metal Gods"
4."Grinder"
5."United"
6."Living After Midnight"
7."You Don't Have to Be Old to Be Wise"
8."The Rage"
9."Steeler"
*この曲順はアメリカ版のもので、それに倣った日本でのオリジナルリリース時のものです。


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VOA_(Sammy_Hagar_album_-_cover_art)
元 VAN HALENのヴォーカリストSAMMY HAGARの通算8作目。VAN HALEN加入前のソロ作品です。

かつて在籍していたバンド、MONTOROSEのアルバムを手掛けた(そしてVAN HALENの諸作も)大御所テッド・テンプルマンをプロデューサーに迎えた本作は、久々に全面的にヘイガーの激情を行き渡らせた作品になったと思います。

基本的には、メジャーレーベル移籍後の前2作の洗練された作品志向を引き継ぐクリアでブライトな音像ですが、再びかつてのようなハードロック的で骨太な楽曲が主流となり収められています。

バンドにはキーボード奏者はいますが、そのサウンドは軽すぎず、またコマーシャル過ぎず、あくまでも熱いヴォーカルのパワーを前面に押し出した爽快なハードロックの作品で、バラエティを持たせつつ全8曲というコンパクトな内容も功を奏して焦点の定まった作品に仕上がっています。

VOA…Voice Of America=アメリカの声というアルバムのタイトル、ギターを片手にホワイトハウスの前にパラシュートで降り立つジャケットのアイデア等、今となれば実に際どい自己主張ですが、こういったパブリック・イメージの認識は実に正確だと思えます。

ヘイガーの代表曲である"I Can't Drive 55"で幕を開け、ファスト・チューンであれバラードであれれテンションが上がりっぱなしの熱唱は、ただただ凄いの一言。

実際のセールスやチャート順位以上に、ヘイガーの存在感を世界に印象付けた代表作です。


【Track Listing】
1."I Can't Drive 55"
2."Swept Away" 
3."Rock Is in My Blood" 
4."Two Sides of Love"
5."Dick in the Dirt"
6."VOA"
7."Don't Make Me Wait"。
8."Burnin' Down the City"



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MetalHealthQuietRiot
80年代前半、当時のメタルバンドとしては初の全米チャート1位を獲得したという快挙を成し遂げた作品。本作の大ヒットにより、メタルは売れるとレコード会社が一斉にメタルやハードロックバンドのッ契約などに奔走し、アメリカでの空前のメタルブームの大きな火付け役を果たした記念碑的な名盤です。

オジーのバンドのギタリストだったランディ・ローズがかつて在籍していたバンドとして注目を集めていたタイミングで本作はリリースされました。

A面のポップでキャッチ―なパーティ・ロックナンバーや、B面のハードかつ哀愁のあるシリアスな楽曲というようにバラエティに富んだ収録曲は、どれもどれもメロディアスで親しみやすく、メタルブームの中でもポップサイドの方面での加速に重要な節目を刻んだ作品です。


【Track Listing】
1."Metal Health (Bang Your Head)"
2."Cum On Feel the Noize"
3."Don't Wanna Let You Go"
4."Slick Black Cadillac"
5."Love's a Bitch"
6."Breathless"
7."Run for Cover"
8."Battle Axe"
9."Let's Get Crazy"
10."Thunderbird"


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RattOutoftheCellar
メジャーデビューアルバムにしてバンドのそして代表作、そして80年代やLAメタルの名盤として本作は取り上げられることが多いです。

このバンドは、西海岸の陽気でからっとした雰囲気やハリウッドのゴージャスを漂わせる容姿や、華麗なメタリックなサウンドが特色です。特にそのサウンドは耳に残るリフ、味のあるソロ、ハードでミドルナンバーを基調としたキャッチーな楽曲に特徴的なボーカルが乗るというのが非常に個性的です。

本作で収められている楽曲は、長年にわたりライブでプレイされたせいかコンパクトにアレンジされ、覚えやすくキャッチ―で所謂捨て曲というものがないです。のちのツアーでも、ショウのハイライトになっていたのは本作の楽曲が多いです。

また本作では、ウォーレン・デ・マルティーニとロビン・クロスビーというタイプの異なる2人のリードギタリストがフィーチュアされているのが特徴です。ツインギターはバッキングプレイでは各々異なったパートを弾きそれを組み合わすことにより1つの曲を構成するといった、他のツインギターバンドとは一線を画すアレンジが施されています。またソロプレイではウォーレンのフラッシーかつスリリン グなギターソロが十分堪能できます。


【Track Listing】
1."Wanted Man"
2."You're in Trouble"
3."Round and Round"
4."In Your Direction"
5."She Wants Money"
6."Lack of Communication"
7."Back for More"
8."The Morning After"
9."I'm Insane"
10."Scene of the Crime"



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